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2013年4月、腎臓に関する多岐にわたる疾患に対応して腎臓病総合医療センターを設置しました。当センターは、腎臓内科・腎臓外科・血液浄化センターより成り立っており、各科間の垣根のない総合的医療を提供することを目的としています。
現在の腎疾患は、原発性疾患の他に、糖尿病や高血圧、膠原病などの全身疾患に由来する疾患も増加しています。故に、その原因を解明するとともに、治せる病気なのか、治せない病気なのかを判断し、各病態に応じた総合的医療を選択することが必要になります。
当センターでは、慢性腎臓病保存期から、総合的医療を提供しながら、食事療法、生活改善、栄養指導などにより、透析療法を避けることに最善を尽くしますが、末期腎疾患治療選択肢として、腎移植から、血液・腹膜透析療法、さらに、血液透析と腹膜透析を組み合わせたハイブリッド療法まで、最適なタイミングでわかりやすい情報提供と加療を行ってまいります。
腎臓病は21世紀の新たな国民病とも言われ、実に日本人の8人に1人が何らかの慢性腎臓病(CKD)を持っているということがわかってきました。
日本人をはじめとする先進国に共通の現象であり、世界中でその対策が取られ始めています。
腎臓病の中には進行性のものもあり、悪化すれば腎不全により尿毒症を引き起こし、維持透析や移植が必要になるものがあります。
他の慢性疾患と同様に早期発見、早期治療が原則であり、早い時期に適切に診断され、適切に治療を受ければ進行を阻止できることも不可能ではなくなってきています。
早期の進行性腎炎やネフローゼ症候群の方には腎生検を実施し、早期診断と早期治療を心がけます。
腎臓病が中等度に進行された方は、食事療法や薬物療法と通して進行を遅くするよう努めます。
残念ながら高度に進行された方は、合併症の治療を中心に行い、可能な限り透析開始を遅らせ、それでもやむなく尿毒症状が出現した場合、安全に維持透析療法に移行できるように、また透析開始を行わずに移植治療を選択出来るようにもサポートいたします。
当センターでは、アクセス外来を設けています。
良好な血液透析を継続する上で、ブラッドアクセスの管理はとても大切な要素です。
アクセストラブルを早期に発見することは、治療選択肢(PTAから再手術まで)を増やし、結果、日帰り治療も可能とし、患者さんのQOLを上げることにも繋がります。
特に地域の透析クリニックとの連携を大事にして、間口を広く開ける事で積極的なアクセス管理を行いたいと思っています。
すこしでも、アクセスに異常が感じられれば、お気軽に受診ください。
腹膜透析療法に関しては、最大の利点は在宅で行えることです。これは、患者さんの生活の質(QOL)の向上になりますので、各々の患者さんの病状や、社会的背景を考慮しつつ、腹膜透析について良く理解をして頂き、幅広い治療の選択(持続腹膜透析、夜間自動腹膜透析、血液透析との併用治療など)が可能です。内科医と外科医がタイアップし、カテーテル管理や合併症管理に効率よくあたることができますし、ナースや栄養士も含めたチーム医療を心がけることで食事管理など幅広く対応いたします。また、腹膜透析は5年から10年が限度と言われていますが、当センターではその時点での移植医療やその後の血液透析療法への移行に対してもサポートします。
透析療法では悪くなった腎臓は良くはなりません。そして、一度透析開始となれば、継続的に行っていく必要が高い医療でもあります。
さらに、根本的な治療ではない以上、継続していけば透析合併症というものが出現してきます。その環境下でも、より良い血液透析医療を提供するために、当センターは、最新のオンラインHDFシステムを導入しました。
これは、通常の透析では除去しきれない物質を積極的に除去することで
などの改善が期待されています。
また、院内の各科と連携の元、急性血液浄化療法(血液吸着療法・血漿交換療法・肝不全、薬物中毒への特殊浄化療法)にも対応できるようになりました。
もちろん、院内依頼による対応も可能ですので、お気軽にご相談ください。
慢性腎臓病が進行すると、体の状態を保つのに十分な腎臓の機能が失われ、腎機能が破綻した状態となります。
腎移植とは、ドナーの方から提供された健全な腎臓を手術でレシピエントの体内に移植することによって、体の状態を保つのに十分なだけの腎臓の機能を再獲得する治療法です。
移植腎が機能している限り必要最小限の免疫抑制剤を飲み続ける必要はありますが、腎不全症状はほぼ完全に消失し、時間に縛られることなく食事や水分を自由に摂ることができます。
また、例え数年で移植腎機能がなくなり透析に戻ってしまったとしても、透析療法から離脱する期間があることにより、透析合併症の進行が停止しますので、体には長い目で見て有益であるといわれています。
当センターは、先進的な大学病院と医療業務提携を行い、積極的に移植医療の選択肢も患者さんの疑問や不安が無くなるように提示をしていきたいと思います。
診療内容および実績 | 件数 |
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腎生検 | 8 |
腹膜透析 | 7 |
血漿交換 | 0 |
CHDF | 1 |
経皮的血管形成術(PTA) | 74 |
腹膜透析カテーテル留置術 | 6 |
生体腎移植施設への紹介 | 2 |
中林 巌なかばやし いわお
腎臓病総合医療センター長
資格 | 日本透析医学会透析専門医 日本内科学会総合内科専門医 日本腎臓学会認定腎臓指導医 |
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濵 耕一郎はま こういちろう
腎臓病総合医療センター長
資格 | 日本外科学会外科専門医 日本移植学会移植認定医 日本臨床腎移植学会腎移植認定医 |
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青木 健あおき けん
診療部 医師
小路 仁こうじ ひとし
非常勤医師
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | 腎臓内科 中林 巌 |
腎臓内科 中林 巌 |
★療法選択 中林 巌 |
腎臓内科 小路 仁 |
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午後 | 腎臓内科 中林 巌 |
アクセス外来 濱 耕一郎 |
アクセス外来 濱 耕一郎 |
★CAPD外来 中林 巌 |
★透析予防 中林 巌 |
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なお、変更内容(休診情報を含む)につきましては、各診療科受付までご確認願います。
★は専門外来、赤字は女性医師の診察になっております。
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