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内視鏡センター

Information on clinical departments 診療科・部門のご案内

内視鏡センター

診療科紹介

当院内視鏡センターでは、年間約6000件の内視鏡検査や治療を行っています。

お仕事などの都合で何度も来院していただくのが難しかったり、症状があるため一日でも早い検査が必要な患者さんは、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)の場合、午前中の受診で食事をされていなければ当日に検査をすることも可能です。

下部消化管内視鏡(大腸カメラ)では下剤の内服(前処置)が必要ですが、これもかかりつけ医からの紹介患者さんの当日検査枠を設けています。食事をせずにご来院頂き院内で下剤内服の前処置を行うことで、ポリープ切除などの治療が施行されなければ一日で検査が完結するようにしております(ポリープ切除など行った場合には病理検査結果説明のため、再診が必要になります)。

ご高齢や遠方の患者さんでご自宅での前処置が困難な患者さんにつきましては、前日入院での検査も可能です。

閉塞性黄疸(胆汁がでなくなり、体が黄色くなる)や膵疾患(膵炎、膵癌など)、胆道疾患(胆道結石、胆道癌など)に対する膵胆管造影や各種処置など経験と高度な技術を要する処置についても積極的に行っております(胆膵疾患に対する精査内視鏡は入院での施行となります)。

内視鏡検査は患者さんによっては苦痛を伴うことがあるため、それぞれ患者さんにあった鎮静薬を選択して楽に検査が受けられるようにしております。

内視鏡センターには内科外科合わせて、7名の常勤医と3名の非常勤医が所属していて、日本消化器内視鏡学会指導施設となっております。検査施行医のほとんどが日本消化器内視鏡学会の専門医または指導医で、介助者も5名が日本消化器内視鏡学会認定技師の資格を取得しています。ポリープ切除、EMR(内視鏡的粘膜切除術)、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの内視鏡治療も積極的に行っており、安全で高度な治療を提供できる体制が整っています。

行っている検査・治療

【上部消化管(食道・胃・十二指腸)内視鏡】

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)に関しては経口(口から行う)および経鼻(鼻から行う)の検査を行っており、不安や嘔気の強い方には鎮静(眠くなる薬を使うこと)による検査も可能です。

近年、胃癌は減少傾向ですが、それにはピロリ菌感染の診断と除菌が大きく貢献しています。

ピロリ菌感染には①未感染(今まで一度もピロリ菌が感染したことがない)、②既感染および除菌後(過去に感染があったが今はいない)、③現感染(現在ピロリ菌が感染している)の3通りがあります。

  • ①は胃癌になるリスクは少ないですが、逆流所見やバレット食道(胃の粘膜が食道にせり上がる現象)が目立つ場合には、食道癌のリスクがあります。
  • ②は現感染よりも胃癌のリスクは低くなりますが、ピロリ菌による粘膜の萎縮などの所見が広範囲の場合には癌が発生することがあり、定期的な観察が必要です。
  • ③は胃癌だけでなく、胃・十二指腸潰瘍のリスクも高いため除菌治療が推奨されます。また除菌後もと同様に定期的な経過観察が必要です。また、特に喫煙者でピロリ菌感染がある方は、胃癌のリスクがさらに高いため注意が必要です。

ピロリ菌の有無を知ることや感染している場合には除菌を行うことで胃癌のリスクを下げたり、リスクが高い方は定期的な内視鏡検査を行うことで早期発見が可能になります。

鎮静や鎮痛を希望される場合には、自動車、バイク、自転車などのご自身での運転による来院は控えてください(ご自身の運転で来院された場合には使用できません)。

(1)検査でわかる疾患

上部内視鏡検査では食道癌、食道炎(逆流性食道炎など)、食道裂孔ヘルニア、ピロリ菌感染の有無、急性活動性胃炎や慢性胃炎の診断、胃癌、胃・十二指腸潰瘍などの診断を行います。

(2)治療について

食道癌、胃癌のEMR(内視鏡的粘膜切除術)、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などによる内視鏡を使ったお腹を切らない早期癌の治療を行います。

また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道静脈瘤からの出血に対する止血術や異物誤飲に対する異物除去など緊急疾患に対する治療も行っています。

(3)実際の治療例(早期胃がんに対するお腹を切らない内視鏡治療)

早期胃がんに対するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

早期胃癌()に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行います。

色素を撒いて病変をわかりやすくします。

病変の下に特殊な液体(青い色がついています)を注入して持ち上げたあと剥がしていきます。
早期胃がんの部分はきれいに切除できました。

【下部消化管内視鏡(大腸)検査】

大腸癌は近年増加傾向にあります。たとえ良性のポリープでも時間経過とともに大きくなった場合には癌化するものもあるため、その診断と治療は大腸癌による死亡リスク軽減に大きく貢献します。

健診の便潜血反応で陽性が出た場合や排便障害(下痢や便秘)、下血などがある方は下部消化管内視鏡検査をお受けいただく事をお勧めします。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)は以前は苦痛が強い検査として敬遠されがちでしたが、内視鏡挿入法や機器の発展によって、かなり苦痛なく受けられるようになっています。

炎症性腸疾患の患者さんや婦人科の治療後や手術を何度も受けている方などは苦痛が出やすい傾向にありますが、その場合に細い特殊な内視鏡で検査を行います。

下部消化管検査(大腸カメラ)も鎮静(眠くなる薬を使うこと)や鎮痛(痛みや違和感をおさえる薬を使うこと)を行って検査することが可能です。

ただし、上部消化管内視鏡検査同様に鎮静や鎮痛を希望される場合には、自動車、バイク、自転車などのご自身での運転による来院は控えてください(ご自身の運転で来院された場合には使用できません)。

 

  • (1)検査でわかる疾患

大腸ポリープ(腺腫など)、大腸癌、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、大腸憩室症、感染性腸炎、虚血性腸炎、痔核など

  • (2)治療について

腺腫や早期大腸癌に対するEMR(内視鏡的粘膜切除術)、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などによる内視鏡を使ったお腹を切らない治療を行います。

また、憩室などからの出血に対する緊急止血術なども行っています。

  • (3)実際の治療例 その1(早期大腸癌に対するお腹を切らない内視鏡治療)
早期大腸癌()に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行います   
腫瘍の下に特殊な薬液(青い色がついています)を注入します。
専用のナイフで切って剥がしていきます。
切除完了です。
お腹を切らずに早期大腸癌の治療が終了しました。
  • (4)実際の治療例 その2(大腸憩室出血に対する止血術)

下血精査目的で下部消化管内視鏡検査を行いました。憩室(大腸の壁が薄くなって膨らんでいる部分)からの出血が疑われました。 多数ある憩室を一つずつ吸引して出血部位を探します。

吸引してひっくり返すと出血()を認めました。
クリップで止血完了です。

【膵・胆道内視鏡検査】

膵臓や胆管、胆嚢の疾患の中にはCTスキャンや超音波検査のみでは診断が困難なものもあり、それらに対して内視鏡を用いた精査を行っています。

胃や大腸よりも検査に時間がかかることもあり、入院による検査となります。

 

  • (1)検査でわかる疾患

膵・胆道腫瘍(癌など)、胆道結石、十二指腸乳頭部腫瘍(癌、腺腫など)

  • (2)治療について

黄疸の改善処置(チューブおよび金属製ステント挿入など)、結石除去術など

(3)実際の治療例
腫瘍による胆管狭窄()に対してステント()挿入を行います。
狭窄部にステントが挿入されました。
腸の中の写真です。
十二指腸にステントの先端が見えています。
位置も適切であることが確認できました。

症状がある場合や健診で異常を指摘されている方は、すみやかに検査をお受けいただく事をお勧めします。疾患は早期であればより負担の少ない治療で治すことも可能です。

当院内視鏡センターでは検査の多くを日本消化器内視鏡学会専門医または指導医が担当おり、通常受診当日~数日以内に検査が出来る体制をとっております。

検査に不安のある方も是非一度ご相談ください。

当科の認定施設など

  • 指導施設(日本消化器内視鏡学会)

公立福生病院 2022年度診療実績一覧 (内視鏡センター)

治療内容 件数
上部消化管内視鏡 2,399
   食道静脈瘤治療 10
 上部消化管出血止血術 44
 ESD食道 11
   ESD 胃 24
下部消化管内視鏡 2,327
   ポリペクトミーおよびEMR 772
   ESD 大腸 23

   ERCP

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